部長の褒めて殺して。やっぱ殺すのなしで

氾文オーディオ部部長の個人的なブログです。たまにブログ名を変えます。

音楽書を読む

語っていいとも

www.chuko.co.jp 岡田暁生著『音楽の聴き方 聴く型と趣味を語る言葉』中公新書 2009 これはよい本です。音楽に言葉を失った経験のある方なら誰であろうと読むに値する名著です。吉田秀和賞もうなずける。 本書は、まぁ書名のまんまですが、音楽の聴き方と言…

細々和声

bookclub.kodansha.co.jp 伊藤友計著『西洋音楽の正体 調と和声の不思議を探る』講談社 2021 つい最近出版された本です。前回和声の歴史本を取り上げましたが、今回も歴史本と言えなくもありません。もっとも前者が通史なのに対し、本書はもう少しピントを絞…

徒然和声

www.ongakunotomo.co.jp 『ハーモニー探究の歴史 思想としての和声理論』西田紘子、安川智子、大愛崇晴、関本菜穂子、日比美和子 音楽之友社 「和声」と聞くだけで震え上がる理論音痴の部長です。こんにちは。 名は体を表すの如く、本書の内容はほとんどタイ…

珍本? いやいや極めて真っ当ななにかです。

companysha.com ジョン・コルベット著、工藤遥訳『フリー・インプロヴィゼーション聴取の手引き』カンパニー社 人を食ったお名前の出版社から世に放たれた、ストレートすぎて逆に不安を煽るタイトル。いわゆる教則本ですら今日日「手引き」なんてつけないぞ…

イヤトレ雑感

音楽に必要な数々の能力のうち、わたしはとりわけ聴音が人並み以下だという自覚がある。ここで「聴音」といっているのは、メロディがある音階をどのようになぞっているか、ある和音がどういう構成のものなのか、そういったことを聞き分ける能力を指す。 気に…

伊澤修二ノート

www.shunjusha.co.jp 奥中康人『国歌と音楽 伊澤修二がめざした日本近代』 春秋社 2008 これは、明治期に官僚として音楽教育の分野で活躍し、東京音楽学校(現在の東京芸術大学音楽学部の前身)の初代校長を勤め、最終的に貴族院議員にまでなった伊澤修二と…

音楽書を読む

ふと、「音楽書を読もう」と思ったのだ。 わたしは音楽を聴くのはもちろんのこと、演奏するのも曲をつくるのも好きだが、読むことはあまりしてこなかった。いわゆる教則本や理論書の類は必要に応じて目を通すことはあったものの、それ以外となるともうさっぱ…